ザトウクジラの「しっぽ」が語るストーリー。 〜短期連載・座間味ホエールウォッチングの魅力 ⑤〜

今日も心地よく晴れている座間味島。
ダイビングもなくひたすらデスクワークに追われている日々っす。。。

ダイビングショップのサイトなのに、立ち上げてからずっとホエールウォッチングのことばっかり書いているこのブログ(笑)。

それでもいいじゃないか。
冬だもの。

ざま みつを

クジラの話をしてていつも思うんやけど、やっぱりザトウクジラの尾びれってかっこいいですよね〜。

このテールを上げたはじめた瞬間、テールから水が流れていくこの瞬間がたまらなく大好きなんです。
そりゃ、もう、クジラだけに鯨(げい)術やで~

あっ!興奮しすぎてヘンなコト言うてもた!

 

さぁ!「座間味ホエールウォッチングの魅力」第5話いきましょー。

 

ザトウクジラの個体識別でわかること

前回、「ザトウクジラは尾びれの裏を見て1頭ずつ見分けていくんですよ~。」というお話でした。
この尾びれの写真による個体識別。どんなことに役立つのかというと、、、

クジラの頭数を把握することができるんです。

座間味村ホエールウォッチング協会では、1989年から毎年、座間味近海にやってくるザトウクジラの尾びれの写真を集めてます。
撮影者は、お客様だったり、ウォッチング船の船長だったり、ボクたちスタッフだったり。

その結果が、、、、

1990年に確認されたザトウクジラは15頭。
2000年に確認されたザトウクジラは36頭。
2010年に確認されたザトウクジラは191頭。
2015年に確認されたザトウクジラは272頭。

という感じに、座間味近海に帰ってくるザトウクジラの頭数が年々増えてきていることがわかるわけです!

で、個体識別を始めて2014年までの26年間で累計1,308頭のザトウクジラが確認されているんです!

ね!すごいでしょ~!

 

ザトウクジラはどこからやってきてどこへ行くんだろう?

さて、座間味島近海のホエールウォッチングシーズンは、12月の末から4月のアタマまで。
つまり、ザトウさんたちがここ座間味近海や小笠原諸島といった南の海域へやって来るのは冬の間だけです。

この海域へは、繁殖活動(嫁さん探しと子作りね。)と、出産・育児のために帰ってくるのです

では、ザトウさんたち夏の間はどこにいるのでしょう?
ロシアのカムチャツカ半島やアラスカ、ベーリング海といった北の海域で、一生懸命えさを食べています。
「バブルネットフィーディング」っていう、ダイナミックな感じで魚の群れを食べているシーン、テレビとかで見たことないですか?
興味ある方は、ググってみてください(笑)。

そんな感じで、1年周期でロシア付近から沖縄近海までの遠距離を回遊して生活しているんですね~。

ん?
なんでそんなことがわかるのかって?

はい!これも、
ザトウさんの尾びれによる個体識別調査の結果なんです!

秘密の資料をこっそり公開!
よくわからないけど、どこかの論文から引用しました

何年前かは覚えていませんが、北半球の太平洋でザトウクジラの個体識別調査が行われていたんです。
で、ザトウさん1頭1頭の確認場所をたどっていくと、この図のような結果になったんですね~。

わかりやすく、日本付近にある青い線だけを見てみましょう。

沖縄近海にたくさんつながりがあるのは、ロシアのカムチャツカ半島付近。
あとはアリューシャン列島やベーリング海にちょっと線がつながっている感じで、アラスカへの線は微々たるものです。

つまり、
冬、座間味近海にやってくるザトウさんのほとんどは、夏の間はカムチャツカ半島近海にいるってことが分かったんですね~。
(あっ!あくまでも「ほとんど」です。アラスカへ行くヤツもちゃんと少ないけどいますからね。)

 

ザトウクジラにもそれぞれの人生(?)がある。

そんなわけで、このクジラに注目してみます。

このザトウさん、「ラフィゾー(Ruphizo)」という名前がつけられてています。
ロシアとフィリピン、そして座間味と小笠原の4か所で存在を確認されたことから、それぞれの地名の頭文字をとって名付けられたんやって!

このラフィゾーのように、個体識別されて名前が付けられたりすることで、
面白ストーリーや感動秘話を持つザトウさんが登場してくるわけです!

そんなザトウさんのストーリーは、また別の機会に紹介していきましょうね~。

最後になりましたが、この記事で用いた統計データは、「座間味村ホエールウォッチング協会」が所有しているデータです。
協会のサイトでは、日々のウォッチング情報がアップされているので、興味のある方は見に行ってみてくださいね〜。